SDA Award

SDA Award2016

SDA賞2016年度審査総評
ここ数年、企業ミュージアムが面白い。
昨年度大賞の「安川電気みらい館」、今年度大賞の「MIZKAN MUSEUM」、今年度最優秀賞の「TOTO MUSEUN」、いずれも企業ミュージアムの作品である。「安川電気みらい館」は、ロボット技術とサインが融合した新たなサイネージの形を提案してくれた。「MIZKAN MUSEUM」では美しいロゴタイプと建築物の完璧な調和を見ることができた。そして「TOTO MUSEUN」では水滴の表現に新鮮な驚きを覚えた。三者三様のベクトルで、それぞれのデザイナーの力量が見事に昇華している。
大賞の「MIZKAN MUSEUM」はD類の応募作品である。D類の規定には「空間や環境、景観そのものがサインとして表現され、明快なメッセージの発信や良好なコミュニケーション機能を発揮しているもの」とある。解釈の幅が広く、応募数も毎年大きく増加している類である。この部門は審査もなかなか難しいのだが、「空間そのもののサイン性はともかく、私はそこに「明快なメッセージが読み取れるか」に評価の軸をおきたい。
「MIZKAN MUSEUM」は運河や工場を含めた環境全体で、心地よいメッセージを伝えてくれる。ディテイルに気を注ぎつつ、全体を俯瞰するデザインは静的であり、かつ雄弁である。企業ミュージアムの使命は「信頼の蓄積」である。短期間で成果が求められる広告や販売促進とは異なり、中長期の活動の積み重ねで生活者の好意を獲得する。受けを狙うコミュニケーションではない、企業の根源的な姿勢が評価を生む。そしてその姿勢を表現するデザインにも、真直ぐな背骨と、濁りのない目線が求められる。
野球とデザインは直球勝負が面白い。

公益社団法人日本サインデザイン協会会長
日本サインデザイン賞審査委員長
定村 俊満
SDA賞の部門・区分について
SDA賞では、サインデザイン作品の募集にあたって、募集部門を下記に示した5部門・8区分としています。
受賞作一覧では、各作品がどの部門に応募されたものであるかがわかるように、類別の記号も表記しています。
分類A

公共サイン部門

駅、空港などの公共交通機関や公園、庁舎、学校、博物館、図書館、病院、発電所などの公共・公益施設に公共の目的で設置されたサインを対象とするもの。

A-1
単体サイン・小型サイン
公共の目的のため計画され単体で機能を発揮するサイン。
A-2
システムサイン
名称サイン、案内サイン、誘導サイン、規制サイン、運用サインなどの複数の機能がシステムとして計画されたサイン。
地域や公共事業のヴィジュアルアイデンティティ(VI)サインシステム。
分類B

商業サイン部門

複合商業施設、ショッピングセンター、百貨店、店鋪、金融機関などに商業目的で設置されたサインや、オフィス、企業施設、工場施設のサインを対象とするもの。

B-1
単体サイン・小型サイン
看板、店舗サイン、のれん、企業サインなど商行為目的のため、おもにエントランス部分に計画され単体で機能を発揮するサイン。
B-2
システムサイン
名称サイン、案内サイン、誘導サイン、規制サイン、運用サインなどの複数の機能がシステムとして計画されたサイン。
広域・多店鋪展開のヴィジュアルアイデンティティ(VI)サインシステム。
分類C

演出サイン部門

広告サイン、メディアサインなどでネオン・LEDエフェクト、照明効果を発揮するサインや、テーマパーク、エキシビションなど造形表現が豊で演出性・エンターテイメント性の高いサインを対象とするもの。

C-1
単体サイン・小型サイン
大型ネオンサイン、大型映像サイン、広告塔、ビルボード、ラッピング広告などサイン性の強いものや、
モニュメントサイン、ゲートサイン、モール、照明など造形性の高いサイン。
C-2
システムサイン
テーマパーク、遊園地、スタジアム、エキシビション会場、展示場などの施設で複数のサイン機能がシステムとして計画されたもの。
分類D

空間・環境表現サイン部門

公共空間、商業空間、建築空間や交通拠点など、空間や環境、景観そのものがサインとして表現され、明快なメッセージの発信や良好なコミュニケーション機能を発揮しているもの。

分類E

研究・開発・実験サイン部門

企画技術開発や新技術、新材料、新表現などを生かしたサイン、先進性、将来性をアピールする試み。