標準案内用図記号 感染症対応
2020年初頭から激化したコロナ禍の中で、社会各所に「距離を保ってください」をはじめとする多くの感染症対応をあらわす表示物が掲出されました。イラスト風のものからピクトグラム、また文字のみのものまでさまざまな表現があり、事業者が試行錯誤しながら表示しているのが現状です。このコロナ禍はまだしばらく続くと思われ、「withコロナ」の生活様式の定着が必要だと言われています。そこで感染症対応のための情報を整理し、誰でもひとめでわかる図記号を制作しました。公共機関ですでに使用されている「標準案内用図記号」の追加図記号としてデザイン。今までのものと親和性が高く、伝わりやすい標準的な図記号を提供します。
標準案内用図記号 感染症対応医療看護支援ピクトグラム
(社)日本サインデザイン協会(SDA)内の標準案内図記号開発部会は、医療看護支援ピクトグラムにおけるデザイン開発をベッドまわりのサインづくり研究会から業務委託を受けました。
部会ではこれまで一連の標準案内用図記号のデザインを行っていただいた、NDC グラフィックの中川憲造氏に引き続き担当いただくこととし、デザイン作業と調整、理解度の検討などを行いました。
そして、使用エリアを医療施設と特定し、下記24 アイテムの図記号を医療看護支援ピクトグラムとしてSDA の推奨するデザインとしました。
一般案内用図記号選定図形のリ・デザイン
SDAでは、会員による公募の上デザイナーの中川憲造氏(NDCグラフィックス)を選出し、128項目の統一図記号の原案を完成させました。これらの原案についてISO(国際標準化機構)およびJISによって定められた理解度・視認性調査を行い、調査結果を反映させながら図形の調整、及び、リ・デザインしました。
2001年3月に125種類がJIS化され、また、ガイドブック「ひと目でわかるシンボルサイン」(標準案内図記号ガイドブック/CD-ROM付)が交通エコロジー・モビリティ財団より発行されました。
本書の編集にあたって、SDAの赤瀬達三副会長(当時)と田口敦子調査研究委員長(当時)が編集・執筆に協力しました。
交通エコロジー・モビリティ財団のホームページ|標準案内用図記号「医療看護支援ピクトグラム」報告書
病院は治療を受けながら生活ところでもあります。制限される生活に適応、支援するために調査研究がおこなわれ、「いのちを見守るコミュニケーションデザイン」として、医療看護支援ピクトグラムが研究成果となり標準化にいたりました。病院サイン計画の一助になれば計画のクオリティアップにつながると考えます。
医療看護支援ピクトグラム 報告書[改訂版]
改訂版 2017年1月発行 1,000円(税込)(初版 2009年4月1日発行) 書籍のお求めは、SDA事務局までお問い合わせください。