SDA ドバイ+アブダビ視察ツアー2020 岡山奈緒子

202027日、初めて中東に足を踏み入れた。

現在、世界中がコロナウイルスと戦っているが、私たちが出国した7日の時点では今のように感染が拡大しておらず、中国を除き世界でも1人、2人と感染者が確認され始めた時期であった。帰国後まもなく急激に感染が広がっていった現状を見ると、全員無事帰国できたのは奇跡的であった。

アブダビ国際空港には深夜便で入国し、翌朝今回の主な滞在地となるドバイへ向かった。アブダビからバスでドバイを目指す。1時間30分程の距離なのだが、車窓から見える景色は広大な砂漠地帯から市街地に近づくに連れ、高層ビル群がニョキニョキと姿を現し、ハイウェイを走る車は高級車ばかりと「お金持ちの街ドバイ!」を彷彿とさせた。

 

ドバイの印象は一言で言うと「未来都市」だった。ほとんど原油が取れないドバイでは、ムハマンド首長が「原油依存から脱却し世界一の観光都市になる!」宣言をし、それを実現すべく急激に発展を遂げている。

世界一を目指すだけあって何もかもが巨大でゴージャスだった。地震大国日本では考えられないスケール感と、間違いなく職人さんが嫌がるであろう複雑な形状の建物がひしめき合っていた。こうなると、もはや私が思っている直線は、この国では曲線と捉えられているのでは無いかと思うほど斜線や曲線の建築が多く、建物そのものがサインと言える。

それにしてもこの未来都市がわずか20年程で形成されるとは!ほとんどが砂漠の小さな漁港だった頃からここで生活をしてきた人にはとても想像がつかなかったであろう。乗り物がラクダからフェラーリに変わり、外壁が土壁からガラス張りに・・・短期間でそこまで変わるとは、両時代をまたいで生きておられる方にとっては、ドラえもんが目の前に現れたような衝撃ではなかろうか、などと想像する。そこまで生活環境が変わったら人間性まで変わっていくのでは無いかと思うが、毎日どこからともなくアザーン(礼拝の呼びかけ)が響き、どこに居てもメッカの方角がわかるようなサインが記され、1日に数回お祈りが行われている。会社でいう経営理念がイスラム教で、変えて良いことと変えちゃいけない事が明確だからここまで環境が変わってもおかしくならないのだなと感じた。

それにしても、お酒も飲めず、恋愛制限もある中でどのように人生を楽しまれているのだろう。帰国してからイスラム教を調べてみると、何とメリハリのある、生物らしい生き方を信仰しているのだろうと、スーツケースにお酒を忍ばせ現地入りした自分が恥ずかしくなってしまった。
 

 

最終日はアブダビへ。お隣同士ではあるがアブダビはドバイとは一風違っていた。アブダビはUAEの首都であり、石油埋蔵量も全体の94%を有しているので経済的にも余裕がある為か、ドバイほど観光地化が進んでおらずどっしりと構える威厳のようなものを感じた。

奇抜な高層ビルも所々で見られるが、ドバイほど密集しておらず、道幅も広くあちこちに植栽が施され美しい街だった。奇抜なものがときおり目に入ってくるバランスが心地良いのだと思う。ドバイだとあれもこれもと、目も首も疲れてしまった。そもそもアブダビはドバイの16培ほどの面積なのだから当然なのかもしれないが。短い滞在時間ではあったが田舎者の私としてはこちらの雰囲気の方が性に合っていた。

 

4泊6日のこの旅で私が一番感動したのは、アブダビのシェイク・ザイード・グランド・モスク。世界一豪華で美しいと言われている巨大なモスクである。異教徒でも拝観することができるこのモスクには4万人もの参拝者を収容する事が出来るそうだ。入り口からモスクに辿り着くまでは、服装チェックや手荷物検査と空港レベルの関所を通り抜け、5分程歩いた後その全容を目にする事が出来る。真っ白な総大理石造のこの美しいモスクは、夕暮れ時が一番美しいとの事でその時間に見学できるようスケジュール調整をして頂き、実際にその「美しさ」を目にすることが出来た。総工費550億円、10年の歳月をかけ造られたこのモスクはため息が出るほどいたる所が美しかった。私は信徒では無いが、そこに居るだけで心が清浄されるような爽快感があった。人工的に作られた物ではあまり感じることが出来ない感覚だ。
「美しい」が持つ力を体感できる拝観であった。

 

これからこの国はどのように変貌していくのか!?こんな時だからこそ、今回建設中だったドバイの「未来博物館」、アブダビの未来型実験都市「マスダールシティ」を今後の行ってみたいリストに追加し、リベンジ!ドバイ&アブダビを楽しみに明るい未来を想像したい。

 

東北地区 株式会社クリエティブダイワ 岡山奈緒子

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