九州地区 研究会「プレゼンマラソン」行いました

プレゼンプレゼン2
九州地区では、地区研究会を次の4つのテーマで行っています。
①デザインセミナー サインや景観など専門性の高いセミナー。
②ワークプレビュー 会員が関わった仕事を見学、または、発表会。
③プレゼンマラソン 会員間の交流を主な目的として、共通テーマを参加者全員発表。
④デザインアクション 事業開発及び受託など。また、視察研修旅行など。
   
今回は、③プレゼンマラソン。
テーマは「好きな(おすすめの)ミュージアム」。
プレゼン形式は自由。写真や図録を持参する者、パワーポイントに作り込む者と様々。

ルイジアナ
トップバッターは会長定村氏、ルイジアナ近代美術館(コペンハーゲン)。小高い丘に建つ世界一美しいと称される美術館。ツタが生い茂るファサードからはじまり、ルイスポールセンの照明が印象的なホールを抜けガラス張りの回廊へと続く。アンディ・ウォーホルやパブロ・ピカソなどの展示、海を背景にした庭園のヘンリー・ムーアやイサム・ノグチの彫刻。氏が自然と建築、アートが融合する空間を十分に楽しんでいる様子が、美しいこの邸宅(美術館)でくつろぐ氏本人のスナップ写真からも伝わる。えっ?1人で行って、誰が撮ったの?答えは「セルフタイマー」、一同爆笑。

佐川モノリッテン
次は、佐藤元副会長の佐川美術館(滋賀県)と根津美術館(東京都)。佐川美術館は切妻屋根と水庭が美しく、根津美術館も切妻屋根と広大な日本庭園、共に伝統の和の技術を現代に生かしたのが特徴。佐藤氏は水平にのびる屋根と池の水面、玉砂利敷に連続する柱の影、内の畳と庭の緑といった対比する美しさを紹介。和の美しさに一同共鳴したところで、いきなり、老若男女121人の裸体の人物がもつれ積み重なり空へと伸びる14mの像、モノリッテン(Monolitten人間の塔)。それを囲む36の人物群像、テーマは「生命の環」、人人人。氏は「誕生」から「老い」までの人間の喜怒哀楽を丁寧に解説、石像に生々しさを感じる。スッキリした日本茶の後にソースを飲んだような気がしたのは私だけでないようだったが、氏の和と人を愛する心を感じた。

そして、梅本氏の竹中大工道具館(神戸市)。和風屋根の外観、木工や左官、瓦師の技を取り入れた内装に大工道具や鍛冶道具の展示、歴史の紹介などがある美術館。撮影禁止の館内を駆使しながら撮った道具の写真を説明する姿に、プロダクトデザイナーである氏の道具をこよなく愛する心が伝わる。
次に、山田氏にバトンタッチされ、再登場ルイジアナ美術館。しかし、定村氏とは違うアングル。内装ディティールや展示、レストランの食事など、好きだというカルダーの彫刻の横に立ち微笑む氏のスナップ写真に、美術館の隅々まで楽しむ姿が窺えた。
続いては、戸出氏のモエレ沼公園、金沢21世紀美術館、新国立美術館など。氏はいつも控えめで静かに語る。しかし、着眼点が鋭く、展示方法や仕組みなど見えない部分を見ることに感動する。今回は試しにと新しいパワーポイントを使用、合間のアニメーションに一同盛り上がる。
最後に、中牟田、オーベル・シュル・オワーズ。長くなるので割愛する。

今回は6名参加の約1時間半、談話しながらなごやかに終了、続きは懇親会でとなる。
同じテーマ、例え同じ場所を選択しても異なる観点を持つことが興味深く、会員間の理解につながる。「見て、見て」気性の九州ならではかもしれないが、自分だけが知ってる小さなことを教えたい(自慢したい)ということでは、Facebook実演版のよう。合間にチャチャが入りながらも楽しく、専門的にも大きな収穫を得ることができるユニークな会である。
平成26年9月26日実施

レポート:九州地区代表幹事 中牟田麻弥

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