日時:平成26年6月27日 18:00〜
場所:すみだ水族館
参加者:57名
今回のサイン探検隊は、すみだ水族館において、サインデザイン・ロゴマーク等の計画をされた、廣村デザイン事務所の藤井北斗氏に現地コーディネイトして頂きながらの施設見学となった。話題の施設であると同時に、実際に計画された方のお話を直に聞けるということもあり、50名以上の参加者があり大盛況であった。
まずは、エントランスをくぐると、正面にガラスの壁が出現し、博物画といわれる水生物の絵が出迎える。圧倒的な存在感、そして、透明感に驚かされる。当初の設計はガラスの壁ではなかったそうで、変更してもらったとのこと。ただし、反射がすごく、入口のガラス面に目隠しのシートを貼ったとのこと。右を向くと、今度はフロア案内・注意事項とともに、電光掲示板の文字(多国語)が流れる。これは情報の伝達というツールであるとともに、流れる文字を魚が泳いでいるイメージとシンクロさせている。
順路を進みながら、「アクアラボ」へ。通常はバックヤードなのだが、これも展示という考えから、あえて入場者に見せている。くらげを中心としたもの、葛飾北斎記念館とタイアップした暖簾のサインがあったり、中には、ロフトとタイアップで設置しようとしたが、重すぎて設置できなかった水槽があったりと、裏話を含めて、貴重な説明を頂くことができた。ちなみに、すみだ水族館は人工海水で珊瑚を育てているという、興味深い話も聞くことができた。
サインについてのコンセプトは、SENCE(五感)・KNOWLEDGE(知識)。サイン素材にはアクリルと表示はシルク印刷で構成されており、壁面の色に合わせてアクリルの色を変え、板を浮かせることにより透明感や浮遊感を出している。フォントはゴシック+ 明朝でやわらかさの中に、わかりやすさを出したとのこと。全体的にシンプルなサイン計画だが、トイレだけは色を使って視認性を高くしている。魚名板については、設置の必要性の有無が議論されたが、結果的に必要ということになり設置はしたが、後付けになってしまったことが、残念だったとのお話だった。
魚のロゴについては、三角形で構成し、種類は水生物約20種類、他にイベントロゴまで作成された。
今回は、施設見学に対する興味が非常に高く、施設見学の傍らに計画者の話を聞くことができるという、参加者との距離感が非常に近いサイン探検隊ではなかったかと思う。最後の藤井氏のスライドを使用した説明にも、参加者一同、真剣に耳を傾けていたのも印象的であった。そして、その後の懇親会でも、色々と質問されている方が多く見られたのも、非常に良かったと思う。
最後になりましたが、講師を務めて頂いた藤井様、様々なご協力(お土産まで!)を頂いたすみだ水族館の皆様、本当にありがとうございました。
レポート:関東地区 西方晃宏