開催日時:2023年6月16日(金) 参加者:7名
福島県会津地区へ足を伸ばし、進化しつつも現代まで受け継がれている伝統建築、伝統工芸に触れ不易流行を肌で感じながら会員の親睦会を深める見学会を開催致しました。
はじまりの美術館
https://hajimari-ac.com/
会津磐梯山の麓、猪苗代湖を有する猪苗代町に震災後の2014年にオープンした、アートを通して人間や地域社会のつながりをつくりだす、そんな未来を実現する想いで運営されている「はじまりの美術館」。かつては酒造蔵として乃木将軍も滞在したとされる由緒ある十八間蔵をリノベーションされています。建築は明治18年138年前、裏磐梯の山から1本の赤松巨木を切り落とされたとされる梁は大変見事で、その歴史を伝える建築物の中で未来につないでいこうとするアート活動はこの瞬間を生きることへの喜びを感じる素晴らしい体験となりました。
開催中である企画展「あいまいなあわいのまにまに」から國久真有氏のワークショップを皆で体感、自分を軸としてマーカーで半円を描くことに挑戦しました。自分が描く境界線から対峙するモノとの境界を感じ、アートの広がりとコミュニケーションの可能性を改めて考える機会となりました。
青野文昭氏<人のおもかげーいろいろな靴より>2018〜2019年
与那覇俊氏<耕せ!三島先生!>
続いて会津若松市内散策を行い、末廣酒造 嘉永蔵https://www.sake-suehiro.jp/top.htmlでは昔ながらの酒造り製法と歴史文化について説明を頂き野口英世氏との縁が深く、蔵内には肉筆の書が展示されておりました。
末廣酒造 店舗ファサード、壁面サイン
酒造見学の後、鶴ヶ城下である会津若松市七日町を各自自由散策、古き良き街並みを味わいました。会津藩時代には会津五街道のうち、日光、越後、米沢の主要道路が通り問屋、旅籠、料理屋が軒を連ね、昭和30年代頃までは会津一の繁華街として賑わいを見せていたそうですが現在は観光客に人気の通りとなっています。
見学会最後に伝統工芸品である会津木綿の工場「HARAPPA」にて100年以上前の豊田式自動織機が今もなお現役で働き続ける姿には圧巻されました。https://www.harappaaizu.com/
見学日には丁度、織り機をメンテナンスに来られている業者さんがいらしており、伝統工芸を明日に繋げていくためには、人の手による技術と努力を絶やすことができない現状を見ることができました。かつては地元産業であったものづくりはやがて工芸品へと価値を高めていくことで、広く伝わっていくものであることを学ぶことができました。
梅雨空の下、東北地区の会員の皆様には遠くより福島にお集まりいただき誠にありがとうございました。また東北地区見学会in福島の運営に多大なご協力をいただきましたクリエイティブダイワ様に心から感謝申し上げます。
レポート 東北地区 西山よしえ