関東地区 サインセミナー報告

日時:2019年12月19日(木)
株式会社サンゲツ 品川ショールームにてサインセミナーを開催しました。

今回のセミナーは
株式会社ソーシャルデザインネットワークスより定村俊満様をお招きし
「認知症に優しい記号」について、
Monotaype株式会社より大曲都市様をお招きし
「英国交通サインにみる書体デザイン」についてお話しいただきました。

 

「認知症に優しい記号」
認知症の約100人にピクトグラムの理解度調査を実施したことで、判明した
様々な結果に驚かされました。
ほとんどの人が理解しているトイレピクトの認知度が36%程度とは思いもよらず、これによりトイレを探すところから、排回が始まることに納得しました。ピクトグラムと文字の併記や使い慣れ、聞き慣れた言葉で表記することが有効であるとの調査結果が得られ、認知に不安を持つ人が出来る限り長く   自力で生活し、尊厳を持って生きていける生活環境の整備(もちろんサインも含めて)の重要性に改めて気付きました。

 

 

 

「英国交通サインにみる書体デザインについて」
ロンドン交通局で100年に渡り、交通サインの文字として、親しまれてきたジョンストン書体改刻の現在に至るまでのストーリーをお話しいただきました。ジョンストン書体は、エドワード・ジョンストンが中世ルネッサンスの文字を踏襲し完成させた、クラシカルだけれども20世紀後世に残る(代表する)書体です。それから、ニュージョンストンを経て、現在のジョンストン100へと改刻されていきますが、クラシカルな書体が、どうような思いや意図で現代版の書体に変化を遂げたのかという過程が勉強になり、書体デザイナーの言葉で直接聞けたことが非常に有意義でした。また、ジョンストンと並び、人気書体であるトランスポートについてもお話しいただきました。イギリスの高速道路で活用される書体ですが、当時小文字をサインに取り入れたのが革新的でした。道路標識として、採用されるまでの検証風景をおさめた、当時の貴重な写真なども拝見できました。

 

セミナー後は交流会を行い、それぞれのテーマのより深いところまでお話しを聞くことができたました。お忙しい中、講師を引き受けてくださいました定村俊満様、大曲都市様、並びに会場の提供にご協力くださいました株式会社サンゲツ様、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

 

レポート:関東地区 郡 剛光

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