北海道地区セミナー 「デザインする」というコトを開催しました

平成25年10月25日(金曜日)18:30〜20:30 会場:札幌市立大学サテライトキャンパス

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札幌デザインウイークで毎年開催しているサインセミナーも今年で4回目。今回は、札幌市立大学学長の蓮見孝氏と株式会社KMD代表取締役 宮崎桂氏(SDA副会長)を講師に迎え、デザインのプロセスと基本について語っていただきました。まず、デザインとは、依頼を形に表現し、利用者に伝える手段であり、その伝えるための方法や手順、筋道など様々な事例をあげて説明がありました。

第1部 蓮見学長の「デザインの基本」では、日本の戦後から高度成長時代、現在に至るまでの時代背景と価値観の変化を量(Quantity)、質 (Quality)、こだわり・探究性(Quest)に分類し、お酒とカーデザインという、全く異なる視点からのお話でしたが、基本の考え方は相通じるものでした。また、松下幸之助氏がデザインを重視したいきさつや、阪急電車創業者が電車に対する理念や倫理観もたいへん興味深い話でした。

第2部 宮崎桂氏の「ホスピタリティとしてのサインデザイン」では、サインにとっての本来のホスピタリティは、上質な場をつくりだすことであって、おしつけやこびるデザインではなく、スムーズで気配りのあるデザインにすることが大切である。私の心に最も残ったのは、氏が携わった東洋製罐本社ビルのサイン計画の話で、ここは、缶はじめ容器全般を生産していることから、デザインモチーフを缶=CAN、さらに、「CAN」=「できる」という広がりのあるコンセプトだった。そして、エントランスに配したシンボルサインは、社員が行き交う社屋上階からみると「CAN」の文字が見てとれる。(1階を主に利用する来訪者には見えない)さりげなく愛社精神を表現したデザインなど、もし私が社員だったら、辛いときなどは、その「CAN」に励まされるだろうと思いました。その他、たくさんの事例作品が紹介され、いずれも利用者にとって快適で、アイデアの引き出しの多さに、さすが!とうなづくものばかりでした。

 第47回SDA賞パネル展に展示中の、優秀賞受賞の「flying kite 台湾客家文化センターのサイン計画」の特殊な建築と空間をダイナミックに活かした作品の解説もしていただきました。

参加者:45名 レポート:地区代表幹事 渡部純子

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