北海道・函館にて合同地区見学会を開催しました

日時:平成29年9月29日(金)〜10月1日(日)

参加者:北海道地区5名 東北地区5名 関東地区12名  計22名

 

 北海道、東北、関東地区の合同地区見学会で北海道の函館を訪れました。2泊3日の日程で、新函館北斗駅の鉄道サイン、公立はこだて未来大学建築とサイン、西部地区の街並みなどの見学、他の地区との交流を目的としています。天候にも恵まれ、朝晩はやや肌寒いものの、爽やかな秋の気候を感じる見学会となりました。

DSC00439DSC00405IMG_8234IMG_8226IMG_6781IMG_6810

 1日目は函館空港に到着後、函館駅を経由し最初の目的地である新函館北斗駅で、北海道、東北地区の参加者と合流をし、北海道新幹線のサインプロジェクトに携わった関東地区の松渕氏のアテンドにより見学を行いました。この駅には「自然と共に呼吸(いき)するモダンで温かみのある駅」という建築コンセプトがあり、人々を温かく迎え入れる開かれたエントランスの駅、陸(おか)の灯台のように道標として暖かく佇むような駅を目指し設計されています。サインは新函館北斗駅を基準にガイドラインが策定され、「新幹線」「在来線」「乗車系」「降車系」の4要素が色彩・空間認識による振り分けで合理的に整備されています。それぞれの色が表示面ベース色となり色面積を多く有していることから、直感的に認識しやすいサインという印象を受けました。

 新函館北斗駅を見学後、函館駅へと向かう列車は、あまり馴染みのないディーゼル列車でした。1両のみの列車に揺られ、のどかな景色を眺めていると、まるで「世界の車窓から」のような1シーンに心が和みます。函館到着後、ここへ来たからには外せない、日本3大夜景に選出されていた函館山へ向かいました。山頂は風が強く寒かったですが、晴れて空気も澄み渡っていて、とても綺麗な夜景を見ることができました。交流会は函館市内の「いか清」にて、今回の見学会をコーディネイトしていただいた北海道地区の吉川氏と合流し、名物いか料理をはじめ函館の旬の味をいただき初日を終えました。

DSC00513IMG_693515_SDA_nakanishi_DSC_0086IMG_8312DSC00567IMG_8371

 2日目は、見晴らしの良い丘に建つ、公立はこだて未来大学へ向かいました。函館圏公立大学広域連合を設立母体として、地域の志と熱意を糧に2000年に設立された大学で、建築設計を山本理顕氏、サイン計画は廣村正彰氏が手がけています。情報科学がカリキュラムに組まれ、函館をフィールドとした様々な分野で最先端の研究と学びを多角的に追求しています。学内は1階から5階までが吹き抜けのオープンスペースとなっていて、スタジオと呼ばれています。講義室や作業スペース、教員室の壁も透明ガラスとなっているので、お互いの様子が見えるような空間としています。一見すると抵抗を感じますが、この環境により、出会いと活発なコミュニケーションが生まれ、常識にとらわれないユニークな学びが実践されていると思います。学内を見渡せるオープンスペースの環境は、導線が非常にわかりやすく、多くのサインを必要としない印象で、定点を中心に、学内の雰囲気に合ったスタイリッシュなデザインがされていると感じました。

 続いて、吉川氏のアテンドで西部地区の街並みとサインを見学するため、ベイエリアに移動しました。潮風を感じながら、金森洋物館などが立ち並ぶ赤レンガ倉庫を抜け、CMやドラマなどでお馴染みの八幡坂へ向かいます。八幡坂を上りきった場所には、教会や旧イギリス領事館などがあり、自国と他国の文化が長い歴史の中で交わってきたことから、他の都市にはない風景が広がっていました。坂の上から見る素晴らしい景色と、美しい街並みがいつまでも残されてほしいです。今回記憶に留めた街並みが、10年、20年後に再訪したときに見られたなら、格別だと思います。西部地区の見学が終わり、宿泊先の湯の川温泉「平成館海羊亭」へ向かいます。見学会で歩き回った疲れた体を温泉で癒し、宴会場で交流会を行い、2日目を終えました。

 最終日は、五稜郭を見学するグループと自由に函館市内を回るグループに別れて行動しました。1日目、2日目と見学にいそしんだので、みなさん少しリラックスして函館を見て回れたのではないかと思います。北海道、東北地区の方々とは函館駅で別れ、関東地区は函館空港に集合し解散しました。3日間を通して、とても充実した見学と他の地区の方々と親睦ができたと思います。

今回の見学にご協力いただきました新函館北斗駅の小柏副駅長、はこだて未来大学の岡本教授と原田教授、そして、参加された各地区のみなさま、本当にありがとうございました。

 

レポート:関東地区 郡 剛光

Posted in: