中部地区サインセミナー vol.1
シンポジウム「本丸御殿復元への歩み」を開催しました

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ところ:国際デザインセンター(ナディアパーク)
    6階セミナールーム1

 昭和20年の空襲で焼失した「名古屋城本丸御殿」は、平成21年1月、復元工事に着手し、今年5月29日には第1期として、玄関と表書院の一般公開を始 めます。一般公開に先立ち、本丸御殿復元に向けて長年にわたり活動されてきた、名古屋城文化フォーラム代表の夢童由里子氏と名古屋市の計らいにより、「現 地特別見学会」を企画。その見学会をより充実したものにする目的で、4月26日には事前シンポジウムを開催し、本丸御殿復元への歩みを再確認することにし ました。
 シンポジウムは、造形作家の夢童由里子氏による講演形式で行われ、講演では、名古屋城をめぐる歴史にはじまり、本丸御殿の復元までの18年間におよぶ長い歩みを経て、今後のまちづくりへの提案にいたる一連の流れをお聞きしました。
 かつて名古屋城の本丸には、天守閣の南側に本丸御殿がありました。この本丸御殿は、近世城郭御殿の最高傑作と言われ国宝に指定されていた建物で、現在、 国宝になっている京都二条城の二の丸御殿と並ぶ武家風書院造の双璧と言われていました。勇壮な天守閣と優美な御殿が並び建つことで、名古屋城は城郭建築と しての風格を形成しており、1930年(昭和5年)に国宝に指定されましたが、1945年(昭和20年)5月、空襲により天守閣、本丸御殿ともに焼失して しまいました。戦後の復興にともない、1959年(昭和34年)に天守閣は再建されました。本丸御殿についても、江戸時代の文献のほか、多くの写真、実測 図が残されており、在りし日の姿を忠実に蘇らせることが可能であり、壁画の模写も含め、現実に復元への道が開かれたのです。
 参加者は、SDA会員・デザイナー・建築士など計21名で、予定よりは若干少なかったのですが、5月の特別見学会に期待を膨らませる雰囲気の中、懇親会では11名が参加し、盛り上がりました。

レポート:林 義雄(中部地区)

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