中部地区 安田昌弘

イズムデザインスタジオ クリエイティブディレクター

SONY DSC

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 建築設計事務所として独立して6年目となりますが、最初の物件は90名の知的障害の方々

の滞在型福祉施設のマスタープラン、建築設計及びインテリアデザイン、サインデザインを行

いました。

まずは図面作業に入る前に、九州の現地に行って滞在している方々に会ってきました。

最初のプレゼンシートは図面は全くなく、施設コンセプト、デザインコンセプト、重点取組項

目だけに絞ってのプレゼンです。

 それまで私が手掛けてきたものとは、全く違う視点で構成していかなくてはならないという

課題を、自分でひとつひとつ積み重ねていく事に、不安とやりがいが同居しながら進めていき

ました。建替までの1年間を仮設建物で過ごした後にどのように感じてもらえるのだろうか、

最初に会った時のように笑顔で握手してくれるだろうかと。スタッフの方々の情報、意見を頼

りにいろいろな思いの埋まったものを作ることが出来ました。

 突然の事故で車椅子の生活になってしまった家族の住宅の設計とかも手掛けたりしている中

で、法規をクリアーするだけのバリアフリーに関する対応には疑問を感じており、形だけ、便

利さだけでは解決できないという事に少しずつでも触れ合いながら進めることが出来ればと思

います。

 独立する2年程前から小中高校生を対象とした日豪教育交流を進めてきたり、幼児、小学校

生のお子様とご両親を対象の触れ合い食堂運営も2年が経とうとしていますが、様々な親子と

接していて子供たちに一番望むことは、郷土に誇りを持てる大人になってほしいということで

す。我が子たちは二十歳も越えましたが、今この様な子どもたちと接する機会を凄く楽しく過

ごしています。

 福祉施設の方もいつもの子供たちも自分の意見を伝えることが難しい人たちと関わる機会も

多いのですが、いろいろな活動を通じて、それぞれの方々が何を思い、どう過ごして、どのよ

うにしたいかを少しでも身近で感じながら、ネットワークを構成しつつ、出会いを大切にこれ

からも過ごしていけたらと思っております。

 

Posted in: