銀賞
鹿島建設株式会社:星野時彦
- 所在地
- 北海道
- ディレクション
- 鹿島建設株式会社:星野時彦
- デザイン
- 鹿島建設株式会社:星野時彦
- デザイン
- 鹿島建設株式会社:石黒翔梧
- デザイン
- エヌイグレック株式会社:NESCO
- 建築施工
- 鹿島建設株式会社
- 建築施工
- 阿部建設株式会社
- 施工
- 株式会社玉川堂
- 施工
- 株式会社ホワイトパープル
- クライアント
- 八海醸造株式会社
- 撮影
- 株式会社エスエス:島尾望
受賞コメント
蒸溜所は自然の雑木林の中にあり、周辺からは一切その存在を窺うことができない。林道わきに唯一ある質素な黒い板状のサインに導かれ、雑木林の小径を抜けると切妻屋根の蒸溜所と貯蔵庫がようやく姿を現す。地面に斜めに埋め込まれた壁に誘導され、高さを抑えたコンクリートの風除室に入ると、鎚器銅器による銘板がその先への期待感を高める。扉の先には巨大な2基の銅製ポットスチルや木槽を内包する木造空間が広がる。見学と製造が一体となった、まさに発酵や蒸溜をしている空間でその味わいを楽しみ、大きなガラスの開口とその先の縁側からはニセコの四季折々の表情を楽しむことができる。
審査評
ニセコの美しい四季をそのままサインにしたかのような作品だ。必要最小限の表示ながら,それらが創り出す余白の広がりが見どころだ。エントランスの館名サインは小さいものの,取り付けられた壁面そのものが斜めに配されることで,来訪者を誘うサインとして機能している。蒸留器と同じ鎚起銅器で製作された風除室の銘板は,職人が丹念に銅板を叩き続けてつくられたもので,その槌音が蒸留器から落ちる雫の音を想起させる。(武山良三)