「私が最近嬉しく、生きがいを感じたこと」 宮沢 功

 

私は、1959年にGKインダストリアルデザイン研究所に入社し、その後1982年にGK設計に移籍、2009年、定年退職するまで約50年間、ヤマハのオートバイから始まりストリートファニチャデザイン、インテリアデザイン、景観計画、交通環境トータルデザインなど多くのデザインに関わる機会に恵まれ、最後には2004年から現在までの富山L R Tトータルデザインによる街づくりに関わりました。

2009年にGK設計を退職後ヨシモトポール顧問、YPデザイン社長を経て、2017年に退職し、仕事としてのデザインからは離れましたが、仕事中に経験したサイン・ストリートファニチャを含む環境デザインや街づくりなどに興味があり、以後はSDA,TDA,などのデザイン関連団体の活動を通じて社会や人間に対する「デザインの使命」に関心を持ち様々な活動をしています。

 

中でもSDAとして参加しているD-8(日本デザイン団体協議会)のJDM(ジャパンデザインミュージアム設立構想研究会)の活動は、人々の生活や社会の様々な課題に対してデザインが効果的に機能するためにはどうしたら良いかということを探るためであり、このテーマは奥が深く楽しく、これからの私の人生にとっても大きな生きがいとなっています。

 

最近は、2019年末から始まったコロナの感染拡大が多くの人々の生活パターンを変えています。
私にとっても外出自粛による運動不足解消のため、三密のない状況での散歩をしようと自宅周辺の自然公園や緑道、湧水散策などを調べ散歩し、周辺にこれほど豊かな自然環境があることを学びました。
又、都市の新しい開発事例やデザイン関係の展覧会など、興味あるテーマを探して楽しんでいるなかで、デザインに関する多くの興味ある課題に気づかされました。

 

そのなかで、元G K設計で富山プロジェクトを一緒にやっていたメンバーが日建設計で担当した、横浜のみなと大通りの歩道拡幅計画に関して、拡幅した空間を地域や訪問者のために如何に有効に使うかの社会実験は、国交省で推奨している「ウォーカブルシティー」とも関係があり、とても興味があります。

豊島区では「IKESUNPARK」など複数の都市公園を緊急時には防災公園として活用できるように考えられています。
これらはポストコロナにおけるこれからの都市景観、公共空間デザインなどの新たなまちづくりのデザインテーマとしても大事だと思います。

又、渋谷区では2020年および2021年中に高齢者、障害者、海外からの来訪者など多くの人々が円滑な屋外活動ができるように渋谷区内17箇所に「TOKYO CITY TOILET」という公共トイレプロジェクトが著名な建築家によって設計され整備されています。

私としてもEXPO’70におけるサイン・S F計画 による高質な公共空間づくりの再来を感じ、今までGK設計で経験してきた公共空間の在り方、景観を考えるという視点でその価値がクローズアップされている感じがして、これからの活動のやりがいを感じ嬉しく感じている今日この頃です。

 

 

 

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