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Japan Sign Design Association Official Website

SDA賞SDA賞

第39回(2005年)SDA賞 受賞作

審査経過報告

中岡 覚
社団法人
日本サインデザイン協会
SDA賞委員長
 第39回SDA賞は5月21日に全国8地区で地区審査を行い、地区デザイン賞36点を選出した。一次審査は6月4日に名古屋市愛知芸術文化センターで行われ、応募総数208点の中から入選103点を選出した。 2次審査は、6月10日に東京都港区コトブキDIセンターで開催され、入選作品の中から入賞作品28点を選出した。サインデザイン大賞・経済産業大臣賞は、各類の優秀賞の中から、A-3類の[福岡市営地下鉄七隈線トータルデザイン]を選出した。二次審査に先立ってSDA特別賞・財団法人日本産業デザイン振興会会長賞の審査も行われ、最終選考に残った5候補の中から「長年におけるCSデザイン賞の公募活動:株式会社中川ケミカル」と「公共交通機関のユニバーサルデザイン:福岡市地下鉄3号線JVグループ」に賞が与えられた。
 今年のSDA賞の応募は、208点と昨年より増加(177点→208点)はしたが、ここ数年を振り返って見ると隔年ごとに応募点数が増減しており、サイン業界としてはまだまだ厳しい状況から抜け出せたとは言えない。
 作品については、各部門とも年々レベルの底上げがあり、入選と落選の境界を決めることが難しくなってきている。一方受賞作品については、ここ数年単体サインのレベルの伸び悩みが見られるが、システムや環境サインについては、トップレベルは充実してきている。しかし各類とも他を圧倒するようなアイディア、デザインに優れた作品が見受けられないのも事実である。
 その中でも、サインデザイン大賞を受賞した「福岡市市営地下鉄七隈線トータルデザイン」や「東京北社会保険病院サイン計画」、「野々市町新庁舎サイン計画」に見られるように、派手さはないが緻密にサイン機能とデザインを融合させた作品が数多く見られた。特に地下鉄七隈線では、デザイナーに嫌われがちな黄色の盲人ブロックを空間デザインのメイン要素として際出させ、空間の中での盲人ブロックの扱い方について、一つの良い方向性を提示したことは評価に値する。
 また「ドコモ大阪南港ビルサイン計画」や「SAITAMA MEDIA WAVEサイン計画」では、シンプルで簡潔なグラフィック表現をもちいて、各階案内や誘導サインを表現し、考え抜かれたグラフィック構成を利用したサイン計画も見られた。
 最近の技術として利用範囲が広がりつつあるLEDを使ったサインもいくつか見られ、全面に光る薄い板で出来た誘導サインや列車表示サイン、大判タイル壁にLEDを象嵌した作品等も見られた。
 ユニークな作品は、「茅ヶ崎戯曲」と題された環境表現で、仮設の可動空間を演出装置として海岸に設置し、舞台と客席の関係を反転することで、内と外、図と地の構成に新しい見方、利用の仕方を提案している。固定化された情報の伝達ではなく、利用者の意味の発見、情報性の獲得を意図するユニークな作品と言える。
■ 応募総数 208点

■ 地区審査 2005年5月21日(土)
北海道・東北・関東・中部・関西・中国・四国・九州各地区において、応募受付作品の審査を実施した。
審査員:各地区理事・参与・顧問及びSDA賞委員
審査委員長:各地区代表幹事
審査方法:応募条件の確認、採点による評価及び討議による評決により、各地区において「地区デザイン賞」該当作品を選出ののち、各地区とも応募作品全数を第一次審査対象作品として送付した。

■ 第一次審査 2005年6月4日(土)
審査場所:名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター
第一次審査対象作品数 208点[類別/A-1(12)、A-2(35)、A-3(19)、B-1(37)、B-2(33)、B-3(42)、C-1(10)、C-2(20)]
審査員:北海道/染谷昭司、渡部純子、東北/遠藤 弘、関東/菅原文雄・久田邦夫、中部/林 義雄・西川清治、関西/吉田恵三・石黒一秀、中国/森 一紘・渡 純二、四国/岩田功次、九州/児玉康子(敬称略)
以上各地区選出審査委員及び井原理安会長、横田保生・定村俊満副会長、斉藤明男専務理事出席
審査委員長:井原理安会長
進行・司会:中岡 覚賞委員長、久保 茂副委員長(記録)
審査推進:明智文武、井澤鉄之助、加藤咲貴、嶋田桂子、竹内健人、冨田一男(敬称略)
審査方法:採点による評価、並びに討議による評決により第二次審査対象作品(入選作品)各類合計103点を選出した。

■ 第二次審査 2005年6月10 日(金)
審査場所:東京都港区浜松町1-14-5 コトブキD.I.センター
第二次審査対象作品数 各類合計103点
委嘱審査員:経済産業省製造産業局デザイン・人間生活システム政策室/中村大紀(敬称略)
日経BP社日経デザイン編集長/勝尾岳彦、株式会社佐藤晃一デザイン室/佐藤晃一(五十音順・敬称略)
協会審査員:井原理安会長、横田保生・定村俊満副会長、斉藤明男専務理事、杉田圭司・森 一紘・渡辺太郎常任理事
審査委員長:井原理安会長
進行・司会:中岡 覚賞委員長、久保 茂副委員長(記録)、久田邦夫副委員長
集計:久田邦夫副委員長、松渕泰典賞委員、矢内・井野口事務局員
審査推進:金田享子・竹内 誠賞委員、小林裕子、田中事務局長
審査方法:採点による評価並びに白熱した討議による評決により、次の通り決定した。
サインデザイン大賞(経済産業大臣賞)=1点、
サインデザイン優秀賞=5点、サインデザイン準優秀賞=8点、
サインデザイン奨励賞=14点(入賞作品合計28点)
入選=75点、地区デザイン賞=36点

■ 特別賞審査
委嘱審査員:財団法人日本産業デザイン振興会専務理事/塚本博志(敬称略)
協会審査員:井原理安会長、横田保生・定村俊満副会長、斉藤明男専務理事、杉田圭司・森 一紘・渡辺太郎常任理事
審査委員長:井原理安会長
進行・司会:中岡 覚賞委員長、久保 茂副委員長(記録)、久田邦夫副委員長

各地区より5件の特別賞候補作品が対象となり、討議を重ねた結果、SDA特別賞= 財団法人日本産業デザイン振興会会長賞に2点を選定した。
以上をもって第39回SDA賞の全審査を終了した。
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