若林達也

だるまの言の葉 みんなのエッセイ
若林達也

Tatsuya Wakabayashi
株式会社バイタル
中部地区

社会をつなぐ仕組みとしてのサイン

SDAの活動に関わるようになって、私は「サイン」が、「人と社会の関係性をデザインする営み」だと知りました。医療、福祉、農業、地域デザイン……私は様々な領域で、人がより良く生きられる仕組みづくりに関わってきました。立場は違えど、根っこは同じです。誰かの不安をやわらげ、まちに温度を灯し、人の心を動かす。サインもまた、そんな“社会の仕掛け”のひとつなのだと気づきました。

60周年を迎えたSDAが、これまでに積み重ねてきた歴史は、単なる意匠の集積ではありません。人と人、人と空間、人と未来の“つながり方”を問い続けてきた歩みなのだと思います。

中部地区に根ざす私の願いは、この地域でもサインが“語られる存在”になること。あたりまえすぎて見過ごされてきた「サインの力」が、いま再び問われています。災害時の誘導表示、インバウンドのための多言語表記、福祉の現場での視認性――サインはまさに“社会そのもの”を映し出す鏡です。

そんな時代だからこそ、SDAという場が必要だと思うのです。デザイナーだけでなく、行政、福祉、農業、医療など、様々な人が語り合い、知恵と実践を持ち寄る。そんな「共有・対話・行動の広場」としてのSDAに、これからも期待しています。私自身も地域に、そしてSDAにちょっとした刺激と笑いを届けていきたい。だるまのように、転んでも起き上がるしぶとさと、丸さをもって。

SDA、60周年おめでとうございます!