川西純市

だるまの言の葉 みんなのエッセイ
川西純市

Junichi Kawanishi
株式会社サインズプラン
関西地区

漂流からのSDA

思えばSDAに入会して18年位になるが、どうしてサインデザインの仕事にたどり着いたのか時折考える。

子供の頃から絵が好きで、美大に進み抽象画コースを専攻。卒業したらさっさと就職を考えていたが、尊敬する絵描きの先生の背中を追いかけ専攻科へ2年進学し、食えない画家を目指していた頃にバブル崩壊。何もせずフラフラしているところデザイン学科の教授に拾われ、空間デザインを一から叩き込まれながら講義の補佐で3年を過ごしたが、契約が切れる頃に阪神大震災が発生。

復興を支える仕事に就きたいとランドスケープの設計事務所に勤めるが、激務についていけず1年半で退社。ただ公園設計で経験したサイン計画が気になり、サインメーカに転職。図面も営業も施工管理もこなすマルチプレーヤーとして奮闘していた中、担当案件を通じてサインデザインを生業とする方々に出会う。その仕事の奥深さに感銘を受け、もっとサインデザインについて探求したいがために会社を辞めて無謀な独立の海原へ。有難いことに以前お付き合いのある方々から仕事の応援もあり、SDA賞に入選した頃から声をかけていただき入会。

私にとっては流れ流され、背中を押されながら辿り着いたサインデザインの世界。転機となる時期に励まされた温かい言の葉に加え、本当に不思議なご縁と出会いを頂いたSDA。記号やピクトグラムで言語の違う世界中の人々にも伝えることができる世界の素晴らしさを知っている、素敵なメンバーがこの協会には数多くいる。サインデザインはグラフィックや情報伝達、プロダクトや照明、建築の空間動線等、幅広い知識が必要な複合型デザイン分野。

ずいぶん遠回りではあったがこれまでの様々な経験を活かせるのもサインデザイン。漂着したSDA島の住民として、日々メンバーからの刺激を受けながら、忙しいけれど楽しい日々を過ごしている。