宮崎桂

だるまの言の葉 みんなのエッセイ
宮崎桂

Kei Miyazaki
株式会社KMD
関東地区

きっかけは何であれ

思い起こせば、その昔、グラフィックデザイナーの知人が自慢げに「SDA賞を受賞した」と話しているのを聞き、「へぇー、そんな賞があるんだ。なんだかすごそう」と思いました。その時はまさか自分がサインデザインの世界に足を踏み入れるなんて夢にも思わず、完全に他人事。ところが不思議なもので、その名前だけは頭の片隅にしっかり刷り込まれたのです。まるで未来を予感しているみたいに…。

その後、自分もサインデザインに関わることになり、見様見真似、右往左往しながらプロジェクトを完成させた時、ふと思い出しました。「そうだ、SDA賞があったじゃない!」と。応募してみたら、なんと受賞。いやもう、ビギナーズラックここに極まれり。その快感に味をしめ、気づけばサインデザインの沼にずぶずぶ…。

贈賞式では先生方や先輩方と直に話せるのも醍醐味。ある時、グラフィックデザイナーの大家から「宮崎さん、すごいね」と声をかけられ、心の中で「やったー!」と小躍り。単純かつ褒めに弱い私。毎年出席するうちに顔見知りも増え、幹部の方から「会員になりませんか?」と誘われ、すでに断る理由なんてない…。

入会後は「せっかく会員になったんだから」と、セミナー、研修旅行、飲み会とフルコース参加。先輩たちの熱いサイン談議に仲間入り。交流の輪も広がり、他協会の方々とも仲良くなりました。そしていつの間にか講師や審査員、気づけば運営する側に。あれよあれよと展開が早い…。

振り返れば、何気なく耳にした賞の名前が、ここまで自分を引っ張るとは…。偶然の出会いが情熱?を呼び覚まし、渦中に飛び込んだからこそ得られたものも大きい。人生やって損はなし。 今さらながら、育ててもらったSDAに、感謝と笑いを込めて。 60周年おめでとうございます!