Kayo Ouchi
株式会社OKデザイン室
関東地区
このたびは事業創立60周年誠におめでとうございます。 SDAの会員となり間もない私ですが、SDAがこれまで行ってきた空間における情報デザインの機能と役割の定義、その普及活動に末端ながら携わることができありがたく思います。これからもたくさん学ばせて頂き少しでもお力添えできればと思っております。
サインデザインに関わることになったのは、思い返せば幼い頃の経験から自然な成り行きのように思います。よく美術館や文化施設に連れて行かれましたが、そこで見たモノよりも、空間の佇まい、ある種訪れた人々の振るまいを導くような緊張感のある空間体験に、子どもながらドキドキしたものです。その後グラフィックデザインを志し美大へ進み、現在に至ります。
自身がサインデザインを手がけた文化複合施設が開館して数年経ったあるとき、この施設を訪れた見知らぬ方から御礼のメールをいただきました。おそらくSDAの受賞クレジットなどを調べコンタクトしてくれたのでしょう。「最初は気乗りせず連れられた施設だが、入館した時の不思議な感覚、可愛らしいピクトグラムと壁画が織りなす空間、次第に興味津々で施設を巡り、なんて素敵なんだろうと感心した」というような内容でした。まさに私自身が幼い頃に感じたものに近い気がしました。これを機に、できれば何度も足を運んで欲しいなと思いました。
サインデザインは、目的に沿って的確に人々を導く道標ですが、目的がない人にも、その空間や土地の情報を伝える語り部となり、人々と場や文化をつなげる役割も担います。 これからも、デザイナーとして生きる術を教授してくれた師の教えや、感性の土壌を育む場となった数々の文化施設での空間体験を、また次の世代や子ども達につないでいける仕事を成すこと、そして誰かの未来のささやかな道しるべとなることを心より願い、デザインに従事する者として日々修練を重ねていく所存です。

