慈恵大学病院 外来棟

銀賞/小林章賞

エモーショナル・スペース・デザイン:渡辺太郎

所在地
東京都
ディレクター
エモーショナル・スペース・デザイン:渡辺太郎
デザイナー
エモーショナル・スペース・デザイン:高明愛
デザイナー
エモーショナル・スペース・デザイン:折目翔麻
照明デザイナー
株式会社フェノメノンライティングデザインオフィス:永津努
建築設計(基本設計)
株式会社久米設計:高橋創
建築設計
株式会社竹中工務店:高木利彰
建築設計
株式会社竹中工務店:北原祥三
建築設計
株式会社竹中工務店:牟田隆一
建築設計
株式会社竹中工務店:秦真人
建築施工者
株式会社竹中工務店
施工者
株式会社備広
クライアント
学校法人慈恵大学
カメラマン
竹中研二
カメラマン
小川重雄

応募者コメント

都市機能との空間的な連続性を意識し、駅などでみられるアルファベットや数字を大きく明瞭に用いたアイコン重視のサイン計画とした。一番誘目性をもたせたい階数や各受付のアドレスのみを光らせることにより、各受付へ明快に強く導き、近い距離で見る情報は適切な明るさの目に優しいサインを目指した。外周部軒天井面には設備に必要な開口率を確保した複数の孔による葉の重なりを表現したパターンを施し、ラウンジ等の人々が集まる場を顕在化させた。そのままでは無機質な災害時用の医療ガス隠蔽パネルには、近隣の愛宕山の木立ちをイメージしたパターンと色を施し、病院内の憩いの場のコミュニケーショングラフィックスとして成立させた。

特別審査員賞(小林章賞)審査評

すべての情報が、優先度にあった適切な大きさや光量で、しかも柔らかく表現されていることで見る者に大きな安心を与えている。病院という施設の性格上、そして立地条件から必要不可欠と思われる英語の情報は充分かつ適切である。英数字のデザインはとかく装飾に偏りがちだが、その個性を抑えた点も高く評価したい。必要以上に情報が目立たないことに徹した結果、多くの候補のなかでこの一点が屹立して見えるというのは興味深い。(小林章)

審査評

立地や今後のICT活用から、新しい外来空間「病院全体を都市空間と捉える」を建築のコンセプトとした病院。都市との連続性を意識したサインは、緻密にデザインされ無駄や隙がない。サインに対して遠・中・近の距離から認知させる階層化された提供情報とその割付、照明の色温度にまで配慮した表現方法は、視認性、審美性共に優れている。待合スペースにある建築設備の不体裁を押し隠し、都市との連続性を意識したデザイン処理などが高く評価された。(中牟田麻弥)