銀賞/招待審査員賞(菊竹雪賞)
廣村デザイン事務所:廣村 正彰
- 所在地
- 埼玉県
- ディレクター
- 廣村デザイン事務所:廣村正彰
- デザイナー
- 廣村デザイン事務所:関根早弥香
- 建築設計
- 伊東豊雄建築設計事務所
- 施工者
- ノムラプロダクツ
- クライアント
- 川口市
- カメラマン
- 中村絵
応募者コメント
広大な公園の敷地内にある火葬施設のサイン計画。告別収骨室と待合室という2種類の部屋が2方向に分かれて設けられているため、 迷わず間違えずに目的の部屋へと向かえるよう4種の花のアイコンを部屋に割り当てた。生と死をめぐる生命の循環にふれる特別な場所であることを考慮して、周囲を囲む自然と一体となるようなサインを目指し、やわらかなカーブが連なる空間に寄り添うデザインとした。
審査評
施設の空間すべての要素が、角の無いふくよかで柔らかな世界で構築し、命の循環(めぐりの森)というテーマに即して、優しくてノイズのない静謐な世界を作っていると感じた。最後の別れを告げる非日常(告別)の場に、アイコンとして花をテーマとしたグラフィックを用いた事も、ともすれば当たり前になってしまいそうな手法が、空間との緻密な親和性、グラフィックデザインの完成度の高さで見事にトータルデザインとして昇華している。(渡辺太郎)
特別審査員賞 審査評
水と緑に囲まれた川口市営の火葬場である。静謐な内外空間に、穏やかで暖かさを感じるサインが秀逸な脇役として存在している。4種の花のアイコンは、サイン機能に留まっていない。収骨室では、分かれの時間を包みこむように、アイコンの花型にくりぬかれた天井の間接照明が、告別時と収骨時と色温度を変え光風景の主役として存在している。サイン・建築・ランドスケープ、サービス、すべが上質に融合していることを含め、審査員賞とした。(菊竹雪)