調査研究事業

調査研究事業について

調査研究事業では、既存のサイン等の調査による課題の抽出や、サインを取り巻く環境についての問題に対する改善案の提言、新しい表現やユニバーサルデザインの考え方を反映させたサイン開発などをおこなっています。
より的確な情報伝達と快適な空間づくりに寄与すべく、サインデザインに関するさまざまな研究や普及活動を積極的に展開しています。

調査研究事業のご紹介

屋外広告物ガイドライン

平成16年に良好な景観形成を促進することを目的とした「景観法」の制定に併せて「屋外広告物法」が改正され、さまざまな都市において屋外広告物を優良なものへと改善する取り組みが進んでおります。

SDAでは、ガイドライン作成にあたり、地域を調査・分析し、景観や屋外広告物の課題を抽出、地域特性に応じた「屋外広告物ガイドライン」の作成をしております。

富山県景観広告ガイドライン 佐賀県屋外広告物ガイドライン 宮崎市屋外広告物ガイドライン 福岡県の屋外広告物ルールと適正化方針 新宿区景観形成ガイドライン 屋外広告に関する景観形成ガイドライン

サイン音に関する調査研究

ac0-thum08 ac3-p1

「サイン音」(2009年現在では「音サイン」と呼称しています)の名称は、サインの新しい概念としてSDAが提案している用語です。


音によるバリアフリー

最近では、「バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」という言葉がわたしたちの身近なものになり、障害者の方やお年寄りをはじめとした、すべての人にやさしい環境や製品づくりが様々なところで進められるようになりました。わたしたちの暮らしと深いつながりのある「音」も、こうした取り組みに早くから使われてきました。最近改正された交通バリアフリー法(http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrier/mokuji_.html)では、視角障害者の方に案内を行う設備の例示として「音による案内」が加えられ、公共空間における音声誘導の導入や、歩行者ITSをはじめとする携帯ナビゲーションシステムの開発など、福祉社会における音の重要性はますます高まりつつあります。

一歩進んだ音による誘導「音サイン(Sound Pictgram)」

このような流れをうけて、今公共空間などで音を使った新しいバリアフリーとして注目されているのが「音サイン」です。音サインとは、短いメロディや電子音によって、特定の行動や意味を、言葉ではなく音に置き換えることによって、場所や方向などの情報を伝えるための音のことです。これまでも音を使った誘導等は様々な公共施設で行われてきましたが、統合的に計画されるケースの多かった視角デザインに比べて、音についてはこれまでトータルなデザイン計画がなされることがなかったため、例えば駅では、構内アナウンス、電車の発車ベル、エレベーターの到着音など異なる役割の音が、異なるコンセプトで制作され、無秩序に共存することで、音源同士がぶつかりあい、必要な情報が得にくい場合がありました。音サインは、こうした状況から一歩踏み込んで音環境演出の手法でトータルに音をデザインすることで、視覚障害者に対する情報提供と、健常者にとっての快適な音演出を両立させることができ、バリアフリーを考えるうえでも、重要な要素となっています。

公共空間で音サインを活用することのメリット
  • 情報を必要な人に感覚的に知らせることができる。
  • 情報を必要ない人にとっては邪魔にならず、快適な音環境。
サイン音研究会

サインデザイン協会においては、1996年より調査研究委員会の中に、「サイン音調査研究部会」を設置し、定期的な研究会やワークショップ、情報交換を先駆的に行ってきております。また1998年からは、通産省(現経済産業省)管轄の「中小企業活路開拓調査・実現化事業」を、複数年に渡り受託し、報告書及びCD-ROM等数多くの成果を積み重ねてきています。(現在のHPの出版案内のページにリンク) 現状のサイン音(家電製品、公共空間)の実例調査から始まり、サイン音に対する意識調査、モデルサイン音の試作、そして試作音の新宿駅におけるテスト導入試験、視覚障害者、聴覚障害者へのヒアリング調査、サイン音の標準化検討、さらには音声誘導サインの検討と、長期間に渡りサイン音のもつ様々な現状の課題や可能性に対しての提言を行ってきています。

バリアフリー・ユニバーサルデザインを考えるうえでのキーワード
ハートビル法
高齢者や障害のある方などが円滑に利用できる建築物の建築促進を目的として、1994年に制定された法律。2003年には、学校、病院、娯楽施設など一定要件の施設のバリアフリー化を義務づけるよう改正されました。
交通バリアフリー法
あらゆる人が交通施設を使う場合の安全・利便を確保されることを目的に2000年に施行。公共工事事業者や地方自治体を対象にバリアフリーの基準を定め、車内、駅前広場、道路などのバリアフリー化について定められています。
社団法人交通バリアフリー協議会
地方自治体の交通バリアフリー基本構想の作成にあたっての調査、立案や、異業種による基礎技術交流など、幅広い活動を行う公益団体。
バリアフリーに配慮した公共空間での音環境デザイン

音サインを活用して音の面からバリアフリーに取り組んでいる公共空間の事例として、音環境をトータルにデザインした神戸市営地下鉄海岸線の例をご紹介します。 
本件は第35回サインデザイン奨励賞を受賞いたしました。

トータルにデザインされた音空間

海岸線の駅構内の改札口、エスカレーター、階段、ホーム、出入り口、トイレなどの導線主要ポイントに、特別なスピーカーを設置。各ポイントを歩行者が通過すると、センサに反応して短いフレーズの音サインが流れるようになっています。ポイントごとの音サインは、全ての駅で統一して使用されており、歩行者は直感的にその場所をイメージできます。また、これらの音サインは、同じコンセプト、同じトーンでトータルにデザインされており、決して違和感を感じることもなく、目の不自由な方には、点字表示などとあわせて非常に有効な誘導情報を提供する空間、かつ健常者には、心地よい音環境としての演出された空間がつくられています。サウンドデザインは日本を代表する環境音楽作曲家の故吉村弘氏が担当しました。

音の工夫
  • 上昇するエレベーターには、「レ→ファ」と上昇する音階を、下降には、「高いレ→低いソ」と下降する音階を使用。これにより直感的にエレベーターが上昇か下降かを判断することができます。
  • トイレのある場所を知らせるサイン音では水が流れるイメージの音を使用。イメージで場所が理解できる工夫もされています。
音サインを提供しているサウンドピクトグラムスピーカー

音源、アンプ、コントロール部、スピーカー部を一体化させたスピーカー。内蔵されたタイマーにより、定期的に音サインをサービスするほか、センサにも反応して音サインを提供でき、時間帯によって音量調節できるなどのプログラム機能をもっています。 
神戸市営地下鉄様のホームページでは、実際に音サインを聴くことができます。
http://www.city.kobe.lg.jp/life/access/transport/subway/kaigannsen/oto_sign.html

サイン音に関する文献集

<論文・文献>

R1「選択反応時間を指標とした騒音下の信号音の聞きやすさー耳栓装着の影響についてー」 
 富永洋志夫(労働科学研究所) 
 労働科学 45巻10号 p.594-604, 1969

R2「自動車用ホーンの音色のイメージ分析」文献取り寄せ中 
 伊達邦好 
 日科技連 第17回官能検査研究会 Session5-3 p.181-190,1981

R3「新しい警報・警音装置の動向 」 
 宮沢博(丸子警報器) 
 自動車技術 Vol.38, No.10, 1984

R4「DESIGN OF AUDITORY WARNINGS FOR AIRCRAFT, INDUSTRY AND HOSPITALS」
 Ergonomics International 85 , B6 p.163-174, 1985

R5「電子ブザー音のイメージ評価 」 
 谷畑真(東芝) 
 日科技連 官能検査シンポジウム S61.9.30-10.1 p.187-193, 1986

R6「無人搬送車の警告音評価に関する研究」 
 江川義之(労働省産業安全研究所) 
 産業安全研究所研究報告 RIIS-RR-86, 1986

R7「警告音ー聞きとりやすい警告音、聞き間違えにくい警告音」 
 江川義之(労働省産業安全研究所) 
 安全 Vol.39, No.4 p.21-25, 1988

R8「音の記号的機能に関する基礎的研究」 
 土田義郎 平手小太郎 安岡正人(東京大学) 
 日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)昭和63年

R9「音を用いた記号体系に関する一考察」 
 土田義郎 安岡正人(東京大学) 
 日本音響学会講演論文集 平成元年10月 p.405-406, 1989

R10「工場内騒音環境下における警告信号音の設定法に関する研究」 
 江川義之(労働省産業安全研究所) 
 日本経営工学会誌 Vol.41, No.1 , 1990

R11「音色イメージを考慮した信号音の操作特性」 
 青木、久保、鈴木(千葉大) 後藤(会津短大) 下畦(松下電工) 
 デザイン学研究 No.91 p.37-44,1992

R12「警報ブザー音の音質について」 
 西田務 萩原文二(日野自動車) 
 自動車技術会学術講演会前刷集924 1992-10 p.201-204,1992

R13「記号としての音デザインーデザイン新分野への取り組みー」 
 デザイン方法論研究誌 日本デザイン学会デザイン方法論研究部会1993.3.27 
 「わかりやすい情報表示」竹内晴彦(生命工学工業研究所) 
 「音色イメージを考慮した信号音の操作特性」青木(千葉大)他 
 「音デザインにおけるフィードバックについて」細谷多聞(筑波大学) 
 「音によるユーザーインターフェース」末石泰次郎(リコー)

R14「駅構内の快い音環境をめざして」 
 冨加見昌男(JR東日本) 
 音響技術 no82/jun p.31-35, 1993

R15「家電製品の低騒音化」 
 田中基八郎(日立製作所) 
 日本サウンドスケープ協会第3回サウンドスケープサロン1994.11.19

R16「効果音検索システム~「音」の表現方法に関する実験と考察」 
 和気早苗(NEC) 
 情報処理学会第48回全国大会 p.2-261-262, 1994

R17「GUIのための音響ディスプレイ装置”touch sound display”の試作」 
 和気早苗(NEC) 情報処理学会第49回大会 p.5-265-26, 1994

R18「イアコンの音の違いがユーザの操作感に与える影響」 
 森本一成 黒川隆夫(京都工芸繊維大学) 
 日本人間工学会関西支部大会講演論文集 12,2 p.73-76, 1995

R19「家庭用電器製品の報知音に関する基礎研究」 
 小松原明哲 大滝真紀 水谷美香(金沢工業大学、松下電器) 
 日本人間工学会関西支部大会講演論文集 12,2 p.77-80 , 1995

R20「警告信号音の音色について」 
 桑野、難波(大阪大) 
  H. Fastl(ミュンヘン大)A. Schick(オルデンブルグ大) 
 日本音響学会講演論文集 H7.9 p.743-744,1995

R21「家庭電化製品の音質設計技術」 
 長安克芳(東芝) 
 日本機械学会第72期通常総会講演会資料集(V)3.29 p.99-100,1995

R22「家庭用電器製品の報知音の吹鳴パターンと聴取印象について」 
 水谷美香 松岡政治 小松原明哲 (松下電器、金沢工業大学) 
 人間工学 第32巻 特別号 p.310-311, 1996

R23「駅における発車認知の聴環境評価~ベル音楽の分析を中心に~」 
 神保有紀 福田忠彦(慶應義塾大学) 
 人間工学 第32巻 特別号 p.20-21, 1996

R24「案内音と警告音の音色に関する感性工学的検討」 
 伊藤真紀(日立製作所) 
 第4回日立中研研究会 予稿集 6.12 p.94-99 , 1996

R25「救急車の警告音の検知に関する研究 」 
 馬場紘彦(久留米工大),江端正直(熊本大学) 
 日本音響学会誌52巻4号 p.244-252 , 1996

R26「擬音語による効果音データ検索」 
 和気早苗(NEC) 
 情報処理学会第52回全国大会 p.2-71-72, 1996

R27「ユーザーインタフェースへの効果音利用に関する一考察」 
 和気早苗(NEC) 
 音声言語情報処理 p.21-26 , 1996

R28「警告音における適切な人間らしさについて」 
 石井春江(同志社大) 
 日本認知科学会第13回大会発表論文集 p.144-145, 1996

R29「若い世代の音源認知とその主観的印象ー警告音の場合ー」 
 三浦佳世、桑野園子、難波精一郎(大阪大学) 羽藤律(京都市立芸大) 
 人間工学 第26巻特別号 p.342-343 年号不明

R30「エンベロープ・パターンからみた警告音の種類に関する研究」 
 江川義之(労働省産業安全研究所) 
 日本経営工学会春季大会予稿集 p.280-281 年号不明

R31「騒音下の信号音のきこえに関する検討」 
 清水正路 山崎和秀 出典不明

R32 日本サウンドスケープ協会第17回研究会資料 
 京都・・・シグナルのエコロジー 音の実用性 
 板倉豊(京都市役所)小松正史(京都市立芸大) 
 中川真(京都市立芸大)長谷川有機子(スタジオマイペース) 
 安本義正(京都文教短期大)