第54回日本サインデザイン特別賞

佐藤優氏のサインデザインに関する継続的な調査研究・普及啓発活動及び、行政と協働した景観・屋外広告物のコントロール手法を開拓した功績に対して

特別賞受賞理由

佐藤優氏は40余年に渡るサインデザインに関わる研究と実践を行っており、特に視覚記号、色彩などに関する基礎研究は、都市サインマニュアルや屋外広告物誘導、都市景観計画などに生かされてきた。行政に対してもデザインの意義を説伏され、現代的課題に応じ多都市の屋外広告物条例の改正にも尽力、国内のサイン等諸基準の礎となっている。サインをはじめ、デザイン関連の学会・団体等での会長や副会長なども務められ、デザインの指導や顕彰事業への支援、産官学連携の要として活動され、今日のサイン、屋外広告景観の発展に大きく貢献されたことが評価された。


  • 佐藤優は、1975年から45年間サインをはじめとするデザインや景観の研究、教育、実践、指導、新しい分野の開拓に取り組んできました。この度SDA賞特別賞をいただくことになったことは、これらの活動が皆様の記憶の片隅に刻まれていたものと考え、大変光栄に存じます。
    「SDA」の強化や「日本サイン学会」の設立に関わり、福岡市や福岡県他の都市景観審議会の会長も歴任し、景観の誘導方法の研究、色彩コントロール、建築指導、公開空地の概念の浸透、都市景観賞などの評価制度の確立などに取り組みました。さらに「アジア景観デザイン学会」や「アジア都市景観賞」を創設し、アジア独自の景観の魅力をクローズアップしようとしてきました。大学教員の立場でありながら社会的な実践も目標の一つでした。
    世界の大学のスポーツイベントである「1995ユニバーシアード福岡大会」ではデザインが高く評価され、162か国・地域の選手団を市内各地区に割り当てて交流を推進するなどの新しい取り組みもしています。その直後からは、人に優しい地下鉄をめざした「福岡市地下鉄七隈線」のトータルデザインに取り組み続けています。「九州大学伊都キャンパス」では、パブリックスペースデザインという概念を構築し、全体のデザインを統括し一貫性のあるキャンパスを実現させました。
    佐藤の特徴は、実験や研究に基づく論理的なデザインと、分野にとらわれない横断的で柔軟な展開にあります。デザインを個人の感性に頼る分野から解放し、多様な専門家との共同による大きな分野にするための手助けをしました。持続可能な仕組みにすることにも配慮しています。
    今回の受賞は、佐藤だけではなく、共に活躍してきた皆様に喜んでいただけるものと確信しています。この社会的な評価をいただいたことを機に、都市の包括的なデザイン活動がさらに加速されることを願ってやみません。

    佐藤 優




佐藤 優 Sato, Masaru 
神戸芸術工科大学副学長・大学院芸術工学研究科長・教授 九州大学名誉教授
1950年岩手県生まれ。1975年多摩美術大学大学院修士課程修了。博士(芸術工学)。九州芸術工科大学教授を経て、統合により2003年九州大学教授。副学長ほかを歴任。現在は神戸芸術工科大学副学長。芸術工学会会長、アジア景観デザイン学会会長、福岡県や福岡市の都市景観審議会会長など。福岡市都市サイン、1995ユニバーシアード福岡大会、福岡市地下鉄七隈線、九州大学伊都キャンパス、九州大学病院などのデザイン監修。SDA賞大賞、グッドデザイン賞特別賞など多数受賞。