銀賞/橋本夕紀夫賞/地区賞
hokkyok株式会社:藤井北斗
- 所在地
- 長崎県
- ディレクター
- hokkyok株式会社:藤井北斗
- デザイナー
- hokkyok株式会社:藤井北斗
- 建築設計
- 株式会社オンデザインパートナーズ
- テキスタイルデザイン
- Haruka Shoji Textile Atelier:庄司はるか
- ロゴデザイン
- 景色デザイン室:古庄悠泰
- 施工者
- プレスアート
- クライアント
- 株式会社toitoitoi
- 撮影
- 見学友宙
応募者コメント
この度は、サインデザイン賞にて表彰をしていただき大変嬉しく思っています。料亭をリノベーションしたこのホテルは、「茂木」の象徴である「海」と、満ち欠ける「月」のように流れるゆったりとした時間から「月と海」と名付けられました。1Fはレストランを併設したオープンスペースとなっており街の人たちが集まるの場としても機能します。サイン計画では2Fの宿泊エリアは「月」の円を、街に開かれた1Fはその円を5分割した波をモチーフにしています。目の間に広がる青い海や、街灯のない暗闇に浮かぶ月だけでなく、はっきりと見ることとのできない昼の月や夜の海を、サインを通して感じてくれれば良いと考えています。
特別審査員賞(橋本夕紀夫賞)審査評
シンプルなつくりのホテル空間にこのサイン計画は、程よい情緒を醸し出している。月や海をモチーフにして作られたサインは繊細で美しいフォルムを持ち、真鍮のような質感が、建築の群青色やベージュ色の壁面に非常に相性がよく、控えめな配置がなされていて空間とよくなじんでいる。それらのサイン表現は小説における各チャプターの扉のページのようにも見えて、ホテル全体に物語性を与えている。サインが空間に非常に影響力を与えるということを感じさせる作品である。 (橋本夕紀夫)
審査評
この作品で印象的だったのが宿泊エリアの月の満ち欠けによるサインである。もともと月は古来より人間の営みの中でとてもサイン性を持っている。時間や暦により姿や色を変える神秘 的な月は、標しであり、兆しであり、アイコンだった。これをこの 時間性をテーマとしたホテルの客室のサインとした粋なセンスは素晴らしい。唯一、惜しむべき事は上弦の月や立待月というとても古来からの素敵な名前があるのだから、それを補足する アルファベットはなくても良かったのではないかと思った。(渡辺太郎)