銀賞
エモーショナル・スペース・デザイン:渡辺 太郎
- 所在地
- 東京都
- 建築設計(ディレクション)
- 鹿島建設(株)横浜支店:中山 憲昭
- ディレクター
- エモーショナル・スペース・デザイン:渡辺 太郎
- 建築設計
- 鹿島建設(株):黒田 真悠
- デザイナー
- エモーショナル・スペース・デザイン:脇崎 拓也
- 施工者
- 鹿島建設(株)横浜支店
- クライアント
- ANAホールディングス(株)
- カメラマン
- 竹中 研二
- カメラマン
- ESD
応募者コメント
未来に羽ばたく滑走路
ANAブランドの更なる品質向上を目指し、点在する訓練施設を集約化するための新訓練施設のサイン計画。訓練生はメイン動線となる2階の直線約240mの廊下に等間隔に配置されたEVで縦移動し、目的の訓練室にアクセスする。
この特徴的な廊下を滑走路に見立てた床デザインにより、目的の訓練室へ通じるEVバンクを明瞭化した。ガラスパーティションで仕切られた訓練室には、流れる雲・気流をイメージした目隠しフィルムによって訓練への集中を高める機能を与えた。教室にはリズミカルに青の壁面塗装を施し、目隠しフィルムとの相乗効果によって「雲から覗き見える青空」という体感的なデザインを試みた。この空間が、訓練生にとって未来へ羽ばたく一助になればとの思いを込めた。
審査評
道のり240メートルは歩行者にとって、いかに直線で見通しが利いていても道中不安になる距離である。滑走路に見立てた長い廊下を航空機がタクシングするがごとく人を誘導していくのは施設のアイデンティティをよく表したアイデアであった。この展開は壁面にある現在地表記にすら飛行機の絵文字が使われるという徹底ぶりである。また水平方向のみならず垂直方向にもこのストーリーは続いており、基準階の滑走路から青空色の縦動線で上がった先は飛行機の中という見立も秀逸であった。(横田保生)