サインデザインの啓発、発展に取り組んできた中川ケミカルの永年の企業活動

第52回日本サインデザイン特別賞
公益財団法人日本デザイン振興会会長賞

株式会社中川ケミカル

中川ケミカル

↑CSデザインセンター企画展「空間を色で着せ替えよう!展 sōgen office」
 デザイン イガラシデザインスタジオ 五十嵐久枝

中川ケミカル

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受賞者コメント

この度はこの様な素晴らしい賞を戴き大変光栄に存じます。
半世紀前、塗料に代わる新しい色のデザイン素材として産声をあげた「カッティングシート®」ですが、この未知の素材は開発から実に5年もの間、たったの1mも売れませんでした。そんなカッティングシートですが、使い易くて色ムラがなく綺麗だということで、少しずつ世の中に認めて頂き、新幹線の駅や空港のサインとしてご採用頂いたことをきっかけに、急速に街の景観に広がって行きました。つまり、サインデザインの世界がなければカッティングシートの発展そのものが無かったとも言えます。その様なサインデザイン界の方々に、「CSデザイン賞」や「中川色彩研究室」を含め弊社の企業活動をご評価戴きましたことは何にも勝る励みです。
これからも私ども中川ケミカルは「人間空間に色をさす」をモットーに、色とデザインと素材で世界を、そして未来を美しく彩ることに挑んで参ります。
素敵なご褒美を本当に有難うございました。今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。

審査評

サインに関わっているデザイナーにとって、素材による表現力の可能性は常に意識しているところであるが、デジタル・テクノロジーの進歩によって、益々デザインの幅が広がり、様々な可能性について、素材メーカーから教えてもらうことも少なくない。中川ケミカルは1961年にカッティングシート開発し、以来塗装や印刷に変わり切って貼る装飾シートの文化を世に広め、装飾シートは今ではサインには無くてはならない素材として定着させてきた。さらに、より豊かで繊細な表現を可能とするさまざまな素材は約1100種類に及び、正しい色彩研究に基づいた製品開発が行われてきたという。一方で、チープで安易なデザインにより、広告景観の悪化を引き起こしている業界の状況を憂い、1982年にデザインへの啓発活動として「CSデザイン賞」を設立。今年で第20回を重ね、創造性に優れたデザインへの表彰が行われてきた。その他、さまざまなシートに関する要望に応える「CSデザインセンター」や、素材の実験的空間とも言える「マテリオベース」の設置。色彩に関する研究を行う「中川色彩研究室」、美術学校のデザイン授業への協力等、永い年月に培われた確かな技術力と、常に社風であるチャレンジ精神で業界をリードし、サインデザインに対して、啓発・発展の一役を担ってきた。こうした活動評価されるとともに、さらなる活動を応援したいという思いが、特別賞へと押し上げた。(竹内 誠)