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2009.04.17 SDA関西地区研修会 和歌山県湯浅町

湯浅行灯アート展見学

湯浅は和歌山県の北西部に位置し、海沿いに開けた人口1万5千人程の小さな町である。大阪から車で約1時間30分ほどの距離にある。
JRきのくに線の湯浅駅で降りると、町の中を南北に熊野古道が通っている。
立石(たていし)と言う高さ2メートル程の大きな道しるべが今も往時の面影を残している。湯浅湾には大小様々な島が点在し、絶好の釣り場となっている。
有田みかんの本場でもあり、また、漁業も盛んで『しらす』は和歌山県産の9割近くを占め、秋の『アジさば祭り』は多くの人びとで賑わう。

今回訪ねた湯浅町は、『ゆあさ醤油』の醸造元。
鎌倉時代に禅僧が中国から伝えたとされる『しょう油発祥の地』である。
江戸期には紀州第二の商いの町と言われ、歴史的名残や、紀伊国屋文左衛門の生誕記念碑が建ち、麹屋さんを始め、しょう油倉など、あちらこちらに残る歴史的建造物群の町屋風景はその昔の栄華を色濃く残している。

さて、夕暮れとともにどこからともなく、人びとが集まりはじめる。
伝統的建造物群保存地区が仄かな灯りに照らし出される〈そのとき〉を待つのである。
夕刻6時を過ぎた頃から、全国各地より出品された手作りの“行灯アート作品”の一つ一つに灯がともり始める。
地元の行灯をあわせると、500灯余りにもなる。
老舗の醸造元付近の路地では、しょう油の芳ばしい香りが漂い雰囲気を盛り上げる。

出品作品には、爪楊枝数千本(?)を綿密に構成して作り上げた行灯、木をくり抜いた素朴なもの、和紙や自然素材を組み合わせたものなど観る者を飽きさせない。
大賞は東京の方の作品で、光の筒の周囲を細い紙で縦格子状に囲み、その紙の格子が風に揺らぐ趣のある作品で多くの人々に感動を与えた。

今年で3回目の『湯浅行灯アート展』は、企画立案から設営撤去まで地元のボランティアの方々が関わっている。多くの人びとが『行灯アート展』見物のため湯浅を訪れたが、観客動員数の多少だけでは無く、自分たちの大切な歴史や文化を見つめ直し、その財産を継承していくよい機会となっている。陰で支える地元の人びとの活動は、地域の若者や子どもたちの心に届き、引き継がれて行くことであろう。その活動には私も同じ和歌山県人として誇りに思う。文化を継承していこうとする町の人びとの熱意にも心打たれた『湯浅行灯アート展』であった。

レポート:上野康寛(関西地区)

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