能作

日本サインデザイン大賞/経済産業大臣賞

水野図案室:水野佳史

能作1 N2A N3 N4 N5 N5B N6 N7 N8 Print

所在地
富山県
ディレクター
株式会社 t.c.k.w:立川裕大
デザイナー
水野図案室:水野佳史
施工者
有限会社真栄工芸
クライアント
株式会社能作
建築設計
株式会社アーキヴィジョン広谷スタジオ
インテリアデザイナー
Koizumi Studio:小泉誠
カメラマン
スタジオハイブッシュ:大井川茂兵衛
照明デザイナー
有限会社シリウス ライティング オフィス
ランドスケープ
株式会社スタジオテラ
建築施工者
塩谷建設株式会社

審査評

高岡市で100年続く鋳物メーカー「能作」の新社屋及び産業観光としての工場見学に対応するサイン計画である。工場内に掲げられたサインは、自社の伝統技術である真鍮鋳物で製作され、それらのパーツは鋳造特有の「湯道」によって支えあい、壁や天井に固定されている。また、鋳造の型を壁面にディスプレーするなど、自社のもつ技術とアイデンティティーを充分に活かしきった空間はユニークであるとともにしっかりとした信頼感がある。
「能作」においては、このような伝統技術を生かし、現代的な表現を試みるチャレンジャブルなデザインももちろん優れているが、それを生み出すもととなった企業姿勢に大いに着目したい。たとえば、ものつくりはいいものを作り続けることが根本的な部分で一番大事ではあるが、今の時代においては、ものづくりの技術や製品と同様、アクションや精神を世の中に発信し、広げていくことも同じくらい大事であることを考えさせられた。企業の強みをデザインによってアピールすることにより、自らもさらに成長するものであることを、まさにこの作品は語っている。
(宮崎 桂)