関東地区 出前授業 in Qiball 行いました

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関東地区のSDA出前授業は、デザインを学ぶ学生に「サインデザインについてもっと知ってもらおう」という趣旨で行っています。
今回で4回目となる出前授業は、千葉市の公共複合施設「Qiball (きぼーる)」にて行われました。学生は昨年に引き続き東洋美術学校の1年生約30名の参加がありました。
授業は、この施設のサインデザインを手がけた宮崎副会長と渡辺光恵さんが講師となり、この計画におけるサインデザインの考え方の説明をしながら、学生へ順次質問を投げかけるカタチで進んでいきました。

「Qiball (きぼーる)」の1Fアトリウムに入るとまず目に付くのは、白い壁と床、そしてカラフルで大きな矢印です。これには何の意味があるのだろうと思って授業を聞き始めると、ここには4つの公共施設が入っていて1Fのアトリウムから各施設へそれぞれ直行便の専用エレベータが設けられているとのこと。つまり乗り間違えると目的地へは行けない構造になっているのです。そのため、アトリウムでの誘導は極めて重要であると考え、間違えないための工夫として施設を色分けし、矢印もその色に分け、なんと点字ブロックまでをも色分けして、色伝いに専用エレベータまで到達できるサインにしたということでした。白い壁と床はこの4色を際立たせるためのものでもある、という話を聞くに至っては大いに納得したのでした。

この色分けは誘導サインだけではなく、アトリウムに自立する各施設の掲示板にも当然適用されていますが、掲示物を留めるマグネットまで同色で塗装されていて美観を損なわないようになっており、その徹底ぶりには驚くばかりでした。
さて、誘導サインには千葉市からの要望もあり、施設名が6ヶ国語で表記されています。初めて訪れる人には決してフレンドリーとは言えない建築構造ですが、サインの「大きさ」と「色」と「多言語」によって全ての人に対して分かりやすいユニバーサルデザインを満たした素晴らしいサインデザインだと感じました。

今回の出前授業は私にも非常に有意義な授業でしたが、学生にとっても実際に計画に携わったサインデザイナーから直接聞く話は「サイン」を理解する大切な一助となったと思われます。これを機にサインデザインの楽しさや魅力が少しでも伝わって、サインデザインを志す学生が増えてくれたら幸いです。

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開催日時:平成27年9月5日(土曜日)10:30~12:00
参加者:30名

レポート:関東幹事会 竹内征也

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