東北地区 地区見学会を行いました

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日時:平成25年11月23日(土)
場所:東京農業大学世田谷キャンパス・帝京平成大学中野キャンパス

 東北地区による、東京農業大学世田谷キャンパス講義棟と帝京平成大学中野キャンパスの建築・サイン計画の地区見学会に参加しました。このデザインに携わったエモーショナル・スペース・デザインの渡辺氏とスタッフの方々に現地で説明をして頂きました。
 東京農業大学世田谷キャンパスは、「土」をコンセプトにデザインがされています。講義棟の入り口に立った私たちを迎えたのは、全面ガラス張りとなっている階段フロアです。階層というよりまさに地層、各階ごとに違う土の色が表現され、大胆な外観と共にそのアイディアにも圧倒されました。デザインコンセプトに基づいた色彩計画、各教室ガラス面に施された地層グラフィックスや、外壁・内装の随所に使われている自然素材も、全て大学のアイデンティティを生み出す重要な要素となっていることに、実物を見て触れることで気づくことができました。
 次に見学した帝京平成大学中野キャンパスは、「木漏れ日」をコンセプトにデザインがされています。建物は白とグレーのモノトーンの基調で、都会的でクールな印象を受けますが、床に展開されている木漏れ日のカラーリング により、暖かい、明るい気持ちになります。人の感情にも影響を与える、デザインの奥深さを感じました。
 2つの大学共、機能性も兼ね備えたデザインであることが印象的でした。教室窓のグラフィックスが、目隠しの要素となっている点や、学生に関わりの無い設備室の文字は小さく、天井に近い高さで表示されているという点など、学生に対する細やかな配慮が感じられました。また、遠くからの誘導を必要とする所には、設置を高く、大きいサインを表示し、近くで見る案内サイン等は文字を小さく、とてもコンパクトに表示しています。それは、目立たせることを重視するのではなく、誰がどのような目的でサインを見るかを考えデザインをしなければならないということを、改めて気づかせてくれました。
 現在、東京農業大学図書館棟は工事中とあって、今回は残念ながら講義棟だけの見学となりましたが、渡辺氏の説明にあった「しびれるデザイン」の図書館棟も機会があれば是非見学したいと思います。
 地区見学会終了後の交流会は、渡辺氏とスタッフの方々、関東地区の方々にも出席して頂きました。渡辺氏の思い入れの深さや、皆様の仕事に対する姿勢など大変興味深い話しを聞くことができ、とても有意義な1日を過ごせました。
 渡辺氏は、常に「現場100回」「原寸確認」を大切にし、デザインのクオリティーを上げるための基本であり、見習わなければいけないと改めて思いました。
 地区見学会の説明をして頂いた渡辺氏とスタッフの方々、一緒に参加して頂いた関東地区の方々に感謝致します。ありがとうございました。

参加人数:17名
レポート: 東北地区法人会員 金子千恵

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