北海道地区 サインミニセミナーを開催しました

北海道地区では、2ヶ月ごとに開催している幹事会の後に会員によるトークセミナーを行っています。今回は1月30日に宮崎会長が来札されるということで、セミナーを開催しよう!ということになりました。地区からは伊藤千織さんが、ドイツで医療施設を見学した報告をしていただきました。

 

宮崎会長からは、日本サインデザイン賞大賞受賞作品の道の駅 川場田園プラザサインリニューアル計画の他、受賞作品である新山口駅北口駅前広場0番地、ORIGAMI、横浜商科大学開学50周年記念館など、数々のプロジェクトの話を聞くことができました。

それぞれの作品に「試み」と「あそびごごろ」があり、利用する人やそこにいる人たちが心地よく楽しめる様子が伝わってきました。今は予算のない現場が多くありますが、宮崎氏の既存を撤去せずに活かす、お金がないと言われると好きなことをやって楽しもうという気になる、建築を大事に活かす(廃墟等含め)、1つの現場で「はじめて」を試みる、といった言葉が印象に残りました。さまざまな状況の中で、楽しむ気持ちを持つことは、業務の中で常に、心がけたいと思います。

質問はORIGAMIに関するものが多く、現場が異国であることもあり、日本の文化である折り紙を何故プレゼンしたのか、どうやってクライアントに理解してもらうことが出来たのか、何案くらい提案したのかなど、様々です。作品集やパネル展、HPを見て疑問に思ったことを、直接聞くことができる入賞者セミナーの大切さを改めて感じました。

 

 

 

伊藤千織さんからは昨年末、ドイツのケルンとアーヘンの大学病院、福祉施設の見学会に参加した際の報告です。終末期の方が過ごす病院、認知症の患者さんが過ごす施設、アルコールや薬物依存の患者さんのための施設など、国内でもなかなか見る事のできない施設の写真の数々。どの施設も人間の尊厳をそこなわないしつらえを数々感じることができました。

認知症と診断されても、幼児扱いすることなく、行動心理の研究に基づいて、色で認識させる、特殊な照明器具によって朝、昼、夜を認識させるなど、誰かに言われて従うのではなく、自身が行動し、自身の判断を促すことを実施しているそうです。壁の色も、部分的に赤やピスタチオグリーンなどが使われていて、日本の施設で見かける色とは随分違うように思います。

また、アルコールや薬物依存の施設では、お小遣いでアルコールを購入できるそうです! びっくり。 (さすがに重症の方や薬物の人はちがうと思いますが)確かに、ダイエットしようと決意しても、食べてはいけないとなると余計に、食べ物のことで頭がいっぱいになり、イライラした経験がありますが、絶対飲んではダメという訳ではない、となると気持ちが楽になるような気がしました。施設のいたるところにある写真やオブジェなども美しくデザインされたものが多く、さすがにドイツ。たいへん貴重な写真と報告でした。

ミニセミナーといえ、たいへん中味の濃い内容となりました。

宮崎会長、伊藤さん、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

レポート:北海道地区 渡部 純子

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