北海道地区トークセミナー 5th

「帯広厚生病院サインアートプロジェクト」  講師   千葉淑子
            参加者8名(会員6名、会員外2名)

今回は昨年11月に新築開業しました、北海道十勝地方の帯広厚生病院のサインアートプロジェクトの報告です。

2016年夏に島津環境グラフィックス主宰島津勝弘氏の提案で、新築工事に伴うサインとアートのプロジェクトチームが結成され、島津ディレクターの下、アートの部分をSDA北海道のメンバーが携わることとなりました。
これまでも個々の絡みでのやり取りはあったものの、これほど大掛かりで、かつ皆での取り組みは初めてという事もあり、不安と期待の中スタートとなりました。

アートを進めていく際のテーマとキーワードは 
1.北海道らしさ
2.着工時に伐採した白樺材を活用する
3.参加型ワークショップ  です。

十勝という地域は、現在NHK朝ドラの「なつぞら」の舞台にもなっているのでお分かりかと思いますが、まさに北海道そのものと言って良い地域であり、農業王国とも言われております。
病院新築の際に伐採した白樺の木の活用法で、厚さ70mm、縦横90mm程度の板材に加工したものを大量に用意しました。十勝の色をイメージし「十勝カラー」と名付けた、「青」「茶」「緑」の色を板材にそれぞれ塗る、参加型ワークショップをメインに、1F通路吹抜の壁面にオブジェとして飾ることとしました。
そして、その塗り分け作業は医師、看護士を始め事務局員、介護士、看護学生等病院に関係する全ての人に参加してもらいながら完成させるプランを練り上げました。目標枚数は1500ピース。

しかし、病院方との打合せ時には、時間や仕事上の制約があって難しいとの意見もあり難航し、スケジュールはどんどんタイトになっていく中で不安な日々もあったとの事ですが、粘り強く説明し理解を得て成し遂げることとなりました。

始めはこわごわ筆を持っていた人も、慣れてくるに従って大胆になったり、一人で何枚も仕上げてくれたり、中には2日連続で作業をしてくれた方もいたそうです。

自分が手掛けた「作品」がどこにあるのか分かるようにもなっている為、友達同士で見に来たり、笑いが広がるのを見て、完成後の反応にようやく報われた感が出てきたとの事です。もちろん私も参加し、苦労もありましたが、学ぶことも多々あり、SDAのメンバーとの共同作業による楽しさも味わえ、貴重な時間を経験させていただきました。

その他にも、十勝ブランドの豆を使用した豆アート、伐採した白樺をそのままの姿で使用したオブジェ等大胆にそして、繊細に白樺をアートに取り入れた見どころ(?)満載な病院です。7月に病院の見学会を予定しています。また、病院の向かい側に、北海道遺産の帯広ばんえい競馬場もありますよ。
次回は6月10日(月)講師は三輪昌博さんです。

千葉さんありがとうございました。               レポート:佐々木佳則

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