九州地区「博多の食と文化の博物館」の見学会を行いました

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九州地区研究会「博多の食と文化の博物館」見学会
日時:平成25年7月19日(金)17時〜18時
場所:「博多の食と文化の博物館」〈ハクハク〉

 九州地区は地域文化研究の一環として、2013年4月にオープンした「博多の食と文化の博物館」〈ハクハク〉の見学を行った。施設は、明太子メーカー「ふくやのプロデュースによるもので、「見る」「学ぶ」「触れる」「食べる」「買う」を通じて、福岡・博多の食の文化を体験するというコンセプトで設計・展示されている。「食が観光の魅力のひとつとなっている福岡においては非常に重要な民間文化施設といえる。
 見学に際しては、コンパニオンによる展示内容説明と同時に、施設の設計に携わった九州地区会員の梅本氏の施設設計エピソードや展示デザインについての興味深い話を聞くことができた。途中、コンパニオンの方から梅本氏が質問を受ける場面があるなど、大変盛り上がった見学となった。
 今回の研究会によって特に感じたことは、食や文化といった無形の対象物を展示することの大切さと難しさである。全国各地において、伝統工芸品や特産品などの「製品を展示する公共施設は多くあるが、食文化や祭りなどの無形のものを主体として展示する施設はあまりない。やはり具象のものを展示・保存することのほうが従来の手法として簡単だからであろう。しかし、今回の施設ではビデオによる映像説明や3D映像による立体視展示、音による演出など、新しい媒体を駆使し、様々な情報提供を行うことで無形の対象物の展示を実現していた。
 近年の技術の進歩によって情報媒体も様々な種類が増えているが、それらをうまく組み合わせ、設計し、情報を提供するだけでなく「体験をデザインすることが、サインデザインにおいても新しい可能性であるように思った。

レポート:山田貴史(九州地区)

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